月の誕生は原始惑星の衝突による「ジャイアント・インパクト説」が有力
月の衛星写真

地球の衛星である月は、衛星に不釣り合いほど大きく、直径が地球の1/4ほどもあります。冥王星の衛星カロンを別とすれば、主星に対してこれほど大きな衛星は太陽系に存在しません。

月が地球の衛星になった経緯にはいくつかの仮説が立てられ、現在でも明らかになっていませんが、「ジャイアント・インパクト説」が最有力とされています。

ジャイアント・インパクト説によると、地球がまだ原始惑星だったころに火星サイズの原始惑星が衝突し、飛び散った破片は地球に落下しますが、一部が地球の周りにリングを作りました。さらにこのリング内で衝突・合体が繰り返されて月が生まれたというものです。

その他の説には、地球とは異なる場所で誕生した月が、地球の重力に導かれたという「捕獲説」、原始地球の一部が月になったという「親子説」、原始地球と同時に月が誕生したという「双子説」があります。

月の表面には、暗く見える「海」と呼ばれる部分と、約45億~38億年前に降り注いだ隕石によるクレーターで覆われて、明るく見える高地があります。海には地球のように水があるわけではなく、クレーターの内部が溶岩で埋められたものです。溶岩は玄武岩質のため、黒っぽく黒く見えるのです。

月の極地付近には太陽の光が当たらないクレーターがあり、氷が存在する可能性が早い段階から指摘されてきました。1960年代のアポロ計画で採取した月の石から、ごく微量の水が確認されましたが、当時は地球での汚染によるものとされました。

しかし、2008年に月の石のガラス球の中から水分子が発見されました。そこでNASA(アメリカ航空宇宙局)は翌年に観測衛星「エルクロス」で月の南極の調査を実施しました。衛星をぶつけて舞い上がった塵から熱で蒸発した氷の水蒸気が確認され、月には予想以上の水が存在することが判明しました。

「日食」は、地球と太陽との間につきが入り込むことで、太陽が欠けて見える現象のことです。太陽と月と地球が直線状に並ぶと、地球に月の影ができます。この影がある場所にいると、日食が見えるというわけです。

夜間、月が光って見えるのは太陽の光が当たっているからです。ところが、太陽から見て月が地球の裏側に位置すると、地球が壁となって太陽の光を遮断してしまうため、月に光が当たらなくなってしまいます。これが「月食」です。