土星:リングが美しく、太陽系で密度が一番低い惑星
氷や岩石の粒が集まった土星の輪

その美しいリングが特徴的な土星は、木星に次いで大きいガス惑星であり、中心には岩石や氷の核、その上に液体の金属の層が、その外側を液体水素の層が覆っています。

太陽の系のなかで土星は密度が最も小さく、水に浮くほどの軽さしかありません。土星の形が中心部が膨れた楕円形をしているのは、秒速9.8kmという超高速で自転しているため、上下が潰れてしまったからです。

土星のリングは20万kmもの幅があるものの、その厚みは数十~数百mしかありません。リングは一枚板のように見えますが、実際には複数のリンクが集まってできたものです。リングはA~G環(リング)と、探査機カッシーニが発見したR/2004S1の8つに分類されます。

A、Bリングは外側に水の氷が密集しています。氷以外の粒子でできているのは、Aリングの間にある「エンケの間隙」やAリングとBリングの間にある「カッシーニの間隙」、Cリングの内側などです。こうした粒子は、衛星から噴き出したものなどで、炭水化物や岩石などが成分です。

土星の衛星は46個発見されており、このうち「タイタン」は太陽系で2番目の大きさとなっています。タイタンの大気圧1.5気圧で、窒素を主成分とした大気を持ちます。地球の大気組成と似ているため、タイタンの探査は、原始的な生命や、生命誕生の謎を解くヒントが発見されるのではと期待されています。

水の氷で覆われている「エンケラドス」は太陽系の中で反射率(アルベト)が最も高く、薄い大気の存在も明らかになっています。ほかにも同じ軌道を回る3つの衛星「テチス」、「テレスト」、「カリプソ」や、衝突が危ぶまれる距離まで接近すると起動を交換して衝突を回避する「ヤヌス」と「エピメテウス」など、土星には個性的な衛星が存在しています。