水星は大気がほとんどない最小の惑星
水星には大気が乏しい

水星は地球の4割ほどの大きさしかない小さな惑星で、太陽に最も近い軌道を公転しています。地表は数多くのクレーターが存在しています。

自転速度が非常にゆっくりで、1回転するのに50日もかかります。太陽に一番近い位置に存在する惑星のため地球と比較して7倍もの熱量を浴びています。

さらに水星には大気がほとんどないことも重なって、昼の最高気温は430℃に達します。その一方で夜には-180℃に冷え込むという非常に気温差の激しい環境です。

水星表面のクレーターは、水星誕生から数億年経過したのちにできたと考えられています。このことから、水星は誕生してから徐々に冷却するにつれて地殻が収縮し、内部のマグマが表出できないほど固まったとされてきました。

つまり、現在の水星は、地質学的には変化がない「死んだ星」と考えられていました。しかし、2011年にNASAの水星探査機メッセンジャーが地表に数千個の特異な窪地を発見したことで、その定説が覆される可能性がでてきました。

19世紀には、水星の内側に未知の惑星「バルカン」が存在するのではないかという説がありました。これは一般相対性理論が登場していない19世紀の物理学では、水星の軌道にうまく説明できない現象が見られたためです。