火星:大気や水が存在している地球の環境に似た惑星
火星

火星は地球の外側にある、地球の半分ほどの大きさの惑星です。火星の表面が赤色なのは、鉄が酸化した酸化鉄が多く含まれているためです。地表の酸化鉄が塵となって大気中を漂っているため、空も赤く見えます。

地球と同様に、火星も中心に主に鉄で構成される核(コア)があります。核は、火星の直径の半分ほどの大きさで、その全ては液状化している、もしくは中心部が固体でその周囲が液状化していると考えられています。火星の周囲には「フォボス」と「ダイモス」というジャガイモのような形をした衛星が2つ存在します。

火星の地軸の傾きは25度くらいで、1日の時間は地球とほぼいっしょであるだけでなく、地球と同じく季節も存在します。火星には大気があり、地球と同じように雲がかかります、極には水と二酸化炭素の氷でできた極冠があります。北極冠は春に溶けて小さくなりますが、冬は中緯度にまで達します。

ここまで見ると火星は地球と似ていますが、火星の大気の95%は二酸化炭素が占めており、水蒸気は0.3%ほどです。また火星の雲は水と二酸化炭素で構成される氷とドライアイスが混じった「氷晶雲」です。太陽からの放射エネルギー量も地球の半分ほどに過ぎず、平均気温は-58℃、夏の赤道付近でも25℃、冬の極点では-138℃にもなります。

隕石から見つかった生命の痕跡?

火星の環境は地球によく似ているため、昔からいわゆる「宇宙人」に対する私たちのロマンをかきたててきました。火星には今日に至るまで数度にわたって探査機や探査車が送り込まれてきましたが、残念ながら生物は見つかっていません。

しかし、無人探査車「キュリオシティ」の調査では、以前に水が流れていた可能性が高い地形や、微生物が存在できる環境だったと考えられる場所が見つかりました。

また、南極で発見された火星からの隕石「アラン・ヒルズ84001(ALH84001)」を電子顕微鏡で観察した結果、生物の残骸と思われる鎖状のもの(写真参照)が見つかりました。非常にに小さな細菌の一種ではないかと推測されていますが、正体は不明です。